税金がお得になる方法は?年末に考える税金のこと

11月になるとサラリーマンの方は「年末調整の用紙を提出してください」といわれたと思います。
保険会社からの書類などそろえるものが多くて大変だったでしょう。
この機会に、税金・年末調整・確定申告・ふるさと納税など、税金について少しおさらいをしてみましょう。

さて、納税の仕組みはとてもシンプルです。
 「収入」-「収入に対する所得控除(サラリーマンのみなし必要経費)」=「所得」
 「所得」-「個々の所得控除」=「課税所得」
 「課税所得」×税率=「税額」
 「税額」-「個々の税額控除」=「所得税」
 「所得税」+「復興特別所得税額」=「収める税金

年末調整とは、源泉徴収された税額の年間の合計額と、年税額を一致させる精算の手続です。(国税庁HPより)年末調整で受けることのできる控除には、次のものがあります。

「基礎控除」
「配偶者控除・配偶者特別控除」
「扶養控除」
「生命保険料控除」
「地震保険料控除」
「小規模企業共済等掛金控除」
「社会保険料控除」
「障害者控除」
「ひとり親控除・寡婦控除」
「勤労学生控除」

このうち、勤務している会社に届けるだけで終わるのは次のものです。

「基礎控除」
「配偶者控除・配偶者特別控除」
「扶養控除」
「社会保険料控除(厚生年金・健康保険分)」

控除証明書が必要になるのが次のものなので、会社に提出する必要があります。

「生命保険料控除」
「地震保険料控除」
「小規模企業共済等掛金控除」
「社会保険料控除(iDeCo)」

年末調整の提出期限までに証明書が間に合わなかった、証明書をなくしてしまったので再発行してもらうのに時間がかかった、などのときも大丈夫。確定申告をすることで払いすぎた税金は取り戻すことができます。

年末調整を行った後に確定申告をして受けることのできる控除には次のものがあります。
「ふるさと納税などの寄附金控除(ふるさと納税は年末調整でできるワンストップ納税もあります)」
「医療費控除」
「雑損控除」

そして、(所得)×(税率)=(税額)で求められる(税額)から控除されるのが「住宅ローン控除」など税額控除です。

年末調整をすると税金が戻ってくる人が大半です。これはなぜでしょう?

所得税の1年は1月~12月までです。サラリーマン(給与所得者)は毎月の収入がほぼ一定で変動が少ないです。なので、税金を1年分まとめて払うのではなく、会社が給与からあらかじめ毎月引いて納税しておくのが給与の源泉徴収です。その際、少し多めに納税するしくみになっています。まず、1月~11月までの間、毎月の給与から少し多めの税金を前払いし、12月の最終月で年間の税額の再計算を行い、各種申告をすれば税金が戻ってきてお得感を得られるシステムが、給与の源泉徴収と年末調整です。
要は、払いすぎた税金を適正な額に調整して戻しましょう、というものです。

では、私たちにできる払う税金を少なくするためにできることは何でしょう?

所得税のしくみからみると「所得控除を大きくすること」「税額控除を大きくすること」になります。

個人で用いる所得控除としては「生命保険料控除」、「地震保険料控除」、「小規模企業共済等掛金控除」、「社会保険料控除(iDeCo)」「ふるさと納税などの寄附金控除」、「医療費控除」、「雑損控除」があります。
税金の控除のために、とはいえ、控除を受けるために払った金額より、収める税金が少なくなるものではありません。一時的にお財布(手元の金額)からお金が出ていくので、むやみやたらに控除のためにお金を使うのは考えものですが、所得税の1年間が1月~12月であることに着目して、支払いの時期をずらすことでうまく控除を使うことができます。いくつかその例をあげてみましょう。

①特定扶養控除
19歳〜23歳の子供で所得が48万円以下(給与収入が103万円以下)の場合に使える控除。
1年間のアルバイトの収入が103万円になるように1月からの給与を計算して調整する。
(12月の給与を減らすために11月にシフト調整をするなど)

②医療費控除
医療費を多く払った場合(おおむね10万円以上が目安)に使える控除。
歯の高額治療などを予定している場合、例えば8万円の歯のかぶせ2本が必要な時、10月と1月のように年をまたぐと
それぞれの年で8万円の控除になり、これだけでは医療費控除の対象になりませんが、1月~12月までの1年間に2本
の治療を行うと合計16万円になり、10万円を超えてこれだけでも医療費控除の対象になります。

③寄付金控除
国や地方公共団体、特定公益法人などに対し、「特定寄附金」を支出した場合
受けれる控除寄付金額―2000円が控除対象。
災害支援やユニセフなどの国際支援など、1000円を10回に分けて色々な募金箱に入れて募金すると
寄付金控除の対象になりませんが、10,000円を赤十字など特定公益法人に寄付して証明書を
もらうと寄付金控除の対象になります。(地方公共団体へのふるさと納税は納税先が変わるだけで
税額そのものが少なくなるわけではありませんが、その土地ならではの返礼品などをもらえる楽しみが
あります)

納税は国民の3大義務のうちの一つです。

国民の3大義務(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』の日本国憲法抜粋より)

「教育の義務」……すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。
「勤労の義務」……すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。
「納税の義務」……国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ。

納税は「国民の権利」とする考えもあります。

無謀な課税から保護される権利、国民の同意なしに課税されない権利、納税するからには予算編成に参画し、支出を監視し、コントロールする権利である。というものです。
その仕組みを知って、納税すべきは納税し、控除を使うべきは使う。収めた税金の使い道をコントロールする、賢い納税者になっていきたいものです。

〈参考〉
・国税局HP
・(三木 義一)日本の納税者(岩波新書)2015.05


この記事の執筆者:三島 佳予子(Kayoko Mishima)


保有資格:CFP・1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 住宅ローンアドバイザー /宅地建物取引士