家計簿って必要?

家計管理 → 家計簿 → 大変!
と暗い気分になる方もいるでしょう。
そもそも家計簿って必要なのでしょうか?
結論から言うと、「家計簿はあったほうがいい」ものです。
家計簿は何のためにつけるのでしょう?
それは「基礎生活費」を把握するためです。
今の生活をするためにはいくら必要なのかを知るためです。逆から見ると「基礎生活費」がわかっている、もしくはこの金額で生活すると決めてそれが実行できれば、必ずしも家計簿は必要ないのです。

人生を見知らぬ土地をカーナビを頼りに進んでいくことに例えてみましょう。

地図 = キャッシュフロー表

現在地 = バランスシート

燃費計 = 家計簿

でしょうか?

行きたいところ(ライフイベント)、給油所(収入予想)などは地図(キャッシュフロー表)で予想を立てます。現在地(今の財産状況)はバランスシートで確認します。
今の燃費(基礎生活費)がいくらで、給油所までどうやってたどり着けばよいのか、それを判断する材料になるのが「家計簿」なのです。
そして、今のままでよいのか、燃費を上げる(基礎生活費を下げる)ためにはどうすればいいのかを探るアイテムが「家計簿」なのです。
ある日のドライブの話です。いつもだったらクーラーをつけて快適に走るところですが燃料が残り少なくなって渋滞に巻き込まれました。給油所まではまだ遠いです。クーラーを切って窓を開け燃費を上げて給油所まで何とかたどり着きました。このように、不測の事態にどうすればいいか、予測するために役立つものも家計簿なのです。

家計簿が疎まれる理由として
 ・収支が合わない
 ・収支を合わせても口座残高と合わない
 ・費目わけが面倒
 ・費目わけがわからなくなる(時によって変わる)
 ・家計簿をつけてもお金が貯まらない
 ・いつからつければいいのかわからない 
 ・急な出費が多くてつけきれない
 ・レシートがどこにいったのかわからなくなる
 ・クレジットやQRコード決済などキャッシュレス決済の支出がわからない
 ・使い道がわかるのが嫌

家計簿をつけたくない理由なんて山ほど浮かびますし、どれもなるほど、と思ってしまいます。


家計簿を活用できた例を挙げてみましょう。
長年家計簿をつけ続けているA さんは、子どもが高校3年生のときに「大学に行きたい」と言われて悩みました。Aさんは長年家計簿をつけていたので、「基礎生活費」、「今後の予想収支」がある程度頭に入っていました。家の経済状況をおもんばかって尻込みしようとする子どもの背中を押してやり、家中のお金をかき集めて無事子どもを大学卒業させてやることができました。Aさんは家計の状況を把握できていたので、子どもが大学に進学する4年間の状況を見通すことができたのです。

Aさんに家計簿をつけ続けている理由、続けられるコツを聞いてみました。
【目的】年払いの出費に備えたい。
【コツ】

・毎年同じ雑誌の付録の使い慣れた家計簿を使っている。
・家計簿につけなくていいお小遣いを確保している。
・収支は計算せずに現在の金額だけを記録している。
・一定額が常に通帳に残るようにしている。


このような例を聞くとやっぱり「家計簿はつけたほうがいい!」と思ってしまいます。

家計簿をつけるメリットはあってもつけるデメリットはないからです。

市販の家計簿はスケジュール帳と同じで、新年1月始まり、もしくは新年度4月始まりのものが多いですよね。
家計簿にもつけ易い時期とつけ難い時期があります。
つけ易いのは、大きなイベント(年末年始・お盆・GW、進学など)がない月。つけ難いのは、大きなイベントがある月です。
お天気で表すとこんなものでしょうか。

つけ難い月には記録できなかった支出があっても「そんなもんだ」と流し、つけ易いときに試してみましょう。
大切なのは、使った金額を記録すること、そして続けることだと思います。
自分に合ったやり方を見つけましょう!
蛇足ですが、暑い時期に色々考えたり、話し合ったりすると感情的になりやすいのでじっくり考えるのは冷えてからをお勧めします。
家計簿のつけ方、項目、などはまた別の特集にしましょう。
参考までに、総務相統計局の家計調査の調査票を添付します。
よく見る「平均値」のもとになる調査で、項目が固定されています。自分と平均値を比べるには適していますが、個人の価値観は反映されていないので個別の目標達成には不適かもしれませんね。
どんなやり方でもいいので、まず「記録すること」から始めてみましょう。

家計簿(二人以上の世帯用)
https://www.stat.go.jp/data/kakei/pdf/form1.pdf


この記事の執筆者:三島 佳予子(Kayoko Mishima)

保有資格:CFP・1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 住宅ローンアドバイザー /宅地建物取引士