ふるさと納税って私でもできる?

ふるさと納税ってご存じですか?
ニュースやCMで耳にすることも多くなってきました。特に年末にかけて多くなってきます。なぜでしょう?
税金のしくみとからめてQ&A方式で解説していきましょう。

Q:ふるさと納税がお得といわれるのはなぜ?
A:税金を払って返礼品というおまけがもらえるから。
納税は国民の義務です。納めた税金は私たちのために使われるので恩恵を得ているともいえますが、なかなか実感できるものではありません。
ふるさと納税は簡単にまとめると住んでいる自治体ではないところに寄付をすると、住んでる自治体の住民税の一部が控除される、言い換えると本来住んでいる自治体に払うべき住民税を他の自治体に払う制度です。
そこで、納税先の自治体から「ありがとう」と返礼品が送られてくることがあります。返礼品としてどんなものがあるか、ふるさと納税の検索サイトなどで公開されているので、「この返礼品がほしいからこの自治体に寄付を申し込む」という使い方もできます。
(ふるさと納税検索サイト例:ふるさとチョイス・さとふる・ふるなび・楽天ふるさと納税等)

Q:ふるさと納税をすると税金は安くなるの?
A:税金の全体額は変わりません。住民税を納める先が変わります。
住民税は住んでいる自治体で行政サービスを受けるために必要な税金です。
ほかの自治体にすべて納めてしまっては住んでいる自治体が住民サービスを行うのに困るので、住民税の控除額には上限があります。
控除額以上に寄付することはできますが、住民税からは控除されず、純粋な自治体への寄付になります。
また、所得税・住民税を納めていない人は控除できる税金がないので税金の控除はなく、純粋な自治体への寄付になります。

Q:何で12月になるとふるさと納税が話題になるの?
A:1年間の所得がわかってくるからです。
住民税は1月1日~12月31日までのその年1年間の所得に対して決まり、6月ごろに納税通知書が届きます。
住民税の控除額の上限が決まっているので、ふるさと納税を利用していくら控除できるか、それがわかるのが年末になります。
ふるさと納税の検索サイトではほとんどのサイトで、年収・家族構成・住宅ローンの有無 などを入れるといくらの寄付までふるさと納税で控除されるのか、概算が計算できるようになっています。

ふるさと納税に係る住民税控除額及び控除適用社数の推移(全国計)

ふるさと納税に係る住民税控除額及び控除適用者(全国計)の推移は、下記の通り。
令和4年度課税における控除額の実績は約5,672億円(対前年度比:約1.3倍)、控除適用者数は約741万人(同:約1.3倍)

ふるさと納税に関する現況調査結果(令和4年度実施)令和4年7月29日 自治税務局市町村税課

Q:税金の控除ってどうやってやるの?難しいの?
A:確定申告、もしくはワンストップ納税でできます。
サラリーマン(給与所得者)で確定申告が必要のない人はワンストップ納税も利用できます。(納税先は5か 所まで)もちろん、確定申告で控除することもできます。ワンストップ納税は期限があるので年末ぎりぎりにふるさと納税をされる方は気を付けてください。

確定申告で医療費控除など他の控除を使う場合は確定申告で

Q:ふるさと納税のお金はどうやって払うの?
A:現金振り込み・クレジットカード払い・Amazonpayなどの支払いが選べます。
ふるさと納税のサイトや寄付する自治体によって違うので寄付する際にご確認ください。サイトによってはポイント還元、ギフト券などのキャンペーンをしていることもあります。
お金が移動する時期に注意!
ふるさと納税でお金を支払うのは年末(クレジットカードの場合はその決済日)までですが、住民税が確定するのは翌年の6月です。一時的に手元のお金が少なくなるので注意です。
また、住んでいる自治体に納める住民税が少なくなりますが、還付金として現金が振り込まれるのではないので手元のお金に注意してください。

〈参考〉

出典:総務省ホームページ

ふるさと納税に関する現況調査結果(令和4年度実施)令和4年7月29日 自治税務局市町村税課
https://www.soumu.go.jp/main_content/000827748.pdf

ふるさと納税サイト


この記事の執筆者:三島 佳予子(Kayoko Mishima)


保有資格:CFP・1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 住宅ローンアドバイザー /宅地建物取引士