子育てに関してもらえるお金 子どもを大人にするには

新学期が始まり、遠足、運動会など行事も終わって子どもも大人も一段落ついた頃でしょうか。

「子育てにお金がかかるので大変」、という声をよく聞きます。
子どもを大人にするまでにはどのくらいお金がかかるのでしょうか?

子どもを一人前の大人にしていくには
・衣  体温が奪われないように必要な衣服を準備し
・食  大きくなるために必要な食事を準備し
・住  安心して暮らせる住居を準備し
・経験 独り立ちしても大丈夫なように経験を積ませ
・意思 自分を大切にできるように、自分に必要なものを手に入れられるように自尊心を育てて

と、多分もっとたくさんあると思いますが、様々なものが必要になるます。

そして、この世界では、何を行うにしてもお金が絡んでくるのです。

子育て支援でもらえるお金をまとめます。
(詳しい内容はお住いの自治体によって変わるのでご確認ください)

子どもが産まれるまで

・妊婦健康診査費用補助妊婦検診など出産までの医療費を助成する
・出産、子育て応援交付金子育て関連用品等に使用できるクーポン券など妊娠届出時に5万円相当、出生届出時に5万円相当支給

市町村が創意工夫を凝らしながら、妊娠届出時より妊婦や特に0歳から2歳の低年齢期の子育て家庭に寄り添い、出産・育児等の見通しを立てるための面談や継続的な情報発信等を行うことを通じて必要な支援につなぐ伴走型相談支援の充実を図るとともに、妊娠届出や出産届出を行った妊婦に対し、出産育児関連用品の購入費助成や子育て支援サービスの利用負担軽減を図る経済的支援(計10万円相当)を一体として実施する事業を支援する。
(出産・子育て応援交付金PDFより引用)

妊娠時から出産・子育てまで一貫した伴走型相談支援と経済的支援のイメージ
※継続的に実施

(※1)子育てガイドを一緒に確認。出産までの見通しを寄り添って立てる等
(※2)夫の育休取得の推奨、両親学級等の紹介。産後サービス利用を一緒に検討・提案等
(※3)子育てサークルや父親交流会など、悩みを共有できる仲間作りの場の紹介。産後ケア等サービス、育休給付や保育園入園手続きの紹介等

身近で相談に応じ、必要な支援メニューにつなぐ

・妊娠届出じ(5万円相当)・出産届出時(5万円相当)の経済的支援
・ニーズに応じた支援(両親学級、地域子育て支援拠点、産前・産後ケア、一時預かり等)

「妊婦健康診査費用補助」など  東京都福祉保健局
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/kodomo/shussan/kenkou/syussan.html

「出産・子育て応援交付金」妊婦・子育て家庭への伴走型相談支援と経済的支援の一体的実施 厚生労働省
https://www.cfa.go.jp/policies/shussan-kosodate/

子どもが産まれてから就学するまで

・出産育児一時金   
出産に関わる費用を支給(令和5年4月1日以降 50万円)
・出産手当金
産前産後中の休業補償(出産前42日から出産日の翌日以降56日まで 標準報酬日額の2/3) 
・育児休業給付金
育児休業中の休業補償(子どもが1歳になるまで標準報酬日額の3/2 180日以降1/2)
・出生時育児休業給付金
産後パパ育休の休業補償、2分割可(子どもが1歳になるまで 標準報酬日額の2/3)
・厚生年金の保険料免除など(産休・育休等を取得した際の特例 将来の年金額は変わらない)
・国民年金保険料の免除
・児童手当(中学卒業まで)
・幼児教育、保育の無償化

例1:被保険者がパパ・ママ育休プラス期間を含み育児休業を取得した場合

例2:育児休業を父母ともに分割取得した場合

厚生労働省:「育児休業給付」「出生時育児休業給付金」についてをもとに作成

「出産育児一時金」「出産手当金」 全国健康保険協会HP
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/sb3280/r145/
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/sb3290/r148/

「育児休業給付」「出生時育児休業給付金」について  厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000986158.pdf

子どもが義務教育(小学校、中学校)に通う期間

・就学援助制度
義務教育学校へ通う子どもへの学用品費、給食費などの補助
・児童手当(中学卒業まで)
子育て費用補助。この期間は所得税で親の扶養控除対象にはならない。

「就学援助費」東京都中野区教育委員会
http://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/dept/652000/d013764.html

「児童手当」制度のご案内(内閣府)
https://www8.cao.go.jp/shoushi/jidouteate/annai.html

子どもが高校に通う期間

・「高等学校等就学支援金制度」
学費の補助。通う学校の学費により給付額が異なる。
・授業料以外の教育費負担を軽減するため低所得世帯を対象とした「高校生等奨学給付金」
・各種奨学金

「高等学校等就学支援金制度」支給期間 ・ 支給限度額一覧   東京都
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/mushouka/__icsFiles/afieldfile/2020/04/30/100014428_4.pdf

※1 高等学校等就学支援金の支給に関する法律施行令第3条第5号及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律施行規則第7条に基づいて計算した支給限度額に3分の10を乗じた額
※2 国立学校は定額授業料のみ

子どもが高等学校(大学など)に通う期間

・奨学金(給付型・貸与型)
学業に必要なお金を貸してくれる。返済不要な給付型と返済が必要な貸与型がある。
・学費免除、各大学独自の奨学金
進学先によって学費免除や独自の奨学金などがある。

高等教育の修学支援新制度
https://www.mext.go.jp/kyufu/index.htm

日本学生支援機構 奨学金ホームページ
https://www.jasso.go.jp/shogakukin/index.html

子どもへの医療費の助成

・医療費助成制度
・特定の疾病に対する医療費助成

ひとり親への助成

・ひとり親への「児童扶養手当」
・ひとり親の所得によっては「児童福祉手当」
・ひとり親家庭等医療費等助成事業

つらつらと並べたので、情報過多で見にくい記事になったと思います。
支援関係のものは多いのですが、どれも必要な人が自分で申請しなければならないことになっています。
どれだけ情報を知っているか、持っているかで使える支援が変わってきます。
また、情報は刻々と変わります。
例をあげると、「現在中学卒業まで支給することになっている児童手当を高校卒業まで支給しよう」と論議されています。(令和5年6月現在)情報に、アンテナを立てていきましょう。

また、支援関係はお住いの地域によって変わります。
岸田首相が訪れた岡山県奈義町は、高校生までの医療費無償化をはじめとした手厚い財政支援と町全体で取り組む子育て支援で出生率2.95(2019年)の町として取り上げられました。

こども政策対話~少子化政策の「奇跡のまち」岡山県奈義町の取組みとは?~ -令和5年2月19日
岡山県奈義町子育て応援宣言
https://www.town.nagi.okayama.jp/gyousei/kosodate_kyouiku_bunka/ninshin_shussan_kosodate/kosodate/kosodate_ouensengen.html

子育てにお金がかかるのは事実です。
けれど、お金がかかるのは子育てだけではなく、生きていくうえでお金はかかるものです。
友人の一人は「ディズニーランドに行くのも教育費よ」と子どもと関わる全てのことが、子どもの未来をつくると子どもとの時間を楽しんでいました。

やがてだれしも老齢期にさしかかり、相続など残すこと、受け継がせることに想いをはせるようになります。
相続は受け継ぐものがしっかりしていることが前提になります。
究極の相続対策は子育てになるのかもしれません。子育てにお金もかかりますが、支援もあります。周りの助けを借りて、子どもとの時間を楽しんでいきましょう。


この記事の執筆者:三島 佳予子(Kayoko Mishima)


保有資格:CFP・1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 住宅ローンアドバイザー /宅地建物取引士