子どもにかけたいお金 何でもしてやりたいのが親心

親はいつまでたっても親、子はいつまでたっても子ども。
いつになっても子どもの手助けをしてやりたいのは親心。

教育費、養育費以外に、親が子どもにしてやりたいと思う費用を調べてみました。
※公的調査結果がないので、それぞれの団体の調査結果です。

子どもの時期に

産まれてきてくれたわが子の可能性を伸ばしたい。
将来必要になりそうなことを色々学ばせたい。
自分ができなかったことを子どもにはさせたい。
親の希望は無限大。

英語・水泳・新体操・体操などが上位にきます。

4~6歳(未就学児)の習い事の月謝合計の平均は10,146円。
最も多かったのは「5,001円~10,000円」(全体の41%が該当)。
4~6歳(未就学児)の子どもの習い事の人気ランキングは、「英語」「水泳」「体操・新体操」が同率で1位。

大きくなると、習い事の数も増え、幼児(未就学児)に比べて金額も多くなります。

低学年(1,2年生)に人気なのは、水泳・英語。

小学1・2年生(低学年)では習い事の月謝合計の平均は14,551円。
月謝の幅も「5,001~10,000円」「10,001~15,000円」「15,001~20,000円」の回答がそれぞれ20%以上にと分散します。
習い事の数が増えて平均は1.8、一番多い回答は「2つ」で43%でした。

全国の習い事をしている4歳~高校生の親1,000人を対象 2023年5月23~30日 株式会社大黒屋

高学年(5,6年生)になると、学習塾・公文式がトップに躍り出て、水泳・英語がそれに続きます。

小学5・6年生(高学年)の習い事の月謝合計の平均は19,315円。
最も多いのは「5,001~10,000円」ですが、30,001円以上の金額帯が合計21%になっています。
習い事の数「2つ」「3つ」と多く、月謝の額は上がっています。

全国の習い事をしている4歳~高校生の親1,000人を対象 2023年5月23~30日 株式会社大黒屋

また、塾の費用については他の資料もありましたのでご紹介します。

中学生の習い事は、圧倒的に学習塾・公文式など学習系が多いです。
中学で部活に入るタイミングで運動系の習い事をやめたり、通信教育での学習を始めたりと、比率が変わってきています。

中学生の習い事の月謝合計の平均は21,371円。
最も多いのは「20,001~30,000円」が22%となっています。
中学に上がるタイミングで習い事をやめることが多いのか、中学生の習い事の数は「1つ」という回答が65%を占め最も多くなっています。

全国の習い事をしている4歳~高校生の親1,000人を対象 2023年5月23~30日 株式会社大黒屋

学習塾の費用の分布も広がっています。

高校生の習い事は、学習塾・公文式が中心になります。

高校生の習い事の月謝合計の平均は24,449円。
「5,001~10,000円」と「30,001~40,000円」が18%と多くなっています。
習い事の平均の数は1.3ともっとも少なく、「1つ」が81%でした。
また、月謝以外に夏期講習代などがかかってきます。

進路によって学習塾費は違うようで、「0円」と「40万円以上」が多くなっています。

大学生になると行動範囲が広がり、様々な費用がかかるようになります。
けれど収入はまだまだ親頼み。
交通費、通信費、塾代、交際費、服飾費、等々。
親元を離れての一人暮らしでは、食費、住居費(家賃、光熱費、各種保険料)、家具、家電の購入費などもかかります。

大人になってから

親はいつまでたっても親、子どもはいつまでたても子ども。
援助してやりたいのは大きくなっても同じこと。
ここからは、贈与・相続が絡んできます。

車の購入

車は大きな買い物です。
ソニー損保が20歳の男女に行った調査項目に、親や親戚などから車の購入資金を援助してもらえるなら、いくらくらい援助してほしいかありました。

車を購入する際の予算の上限額を聞いたところ、平均額は187.1万円でした。さらに、親や親戚などから車の購入資金を援助してもらえるなら、いくらくらい援助してほしいかを聞いたところ、平均額は98.3万円でした。

「ソニー損害保険株式会社」20歳のカーライフ意識調査
https://www.sonysonpo.co.jp/auto/ 

「ソニー損害保険株式会社」20歳のカーライフ意識調査
https://www.sonysonpo.co.jp/auto/

家の購入

住宅購入には多額な資金が必要になり、住宅ローンを利用する人が大半です。住宅資金贈与の特例などもあり、住宅資金を親が出すケースもあります。

◆「親からの贈与」を受けた者の平均額は、新築住宅購入者が998.2万円、既存住宅購入者が662.2万円。
◆「親からの贈与」を受けた世帯の割合(受贈率)は住宅購入者全体の14.2%。
◆親からの贈与額が「1,000万円超」の割合は全体で35.5%となっている。
◆直系尊属の住宅取得等資金に係る贈与税の非課税制度の利用者は住宅購入者の12.1%。

第27回 不動産流通業に関する消費者動向調査結果
令和4年10月 一般社団法人 不動産流通経営協会

この調査結果は、住宅購入者が1000人いたら、
「親からの贈与」を受けた人が142人おり、
そのうち「1000万円超」の贈与を受けた人は50人いて、
贈与を受けた人の85%(120人)は贈与税の非課税制度を利用している、ことを示しています。
また、住宅資金の贈与を受けたのは、世帯主が30代が多いこともわかります。

第27回 不動産流通業に関する消費者動向調査結果
令和4年10月 一般社団法人 不動産流通経営協会

子育てなどの援助

子育て、結婚資金などの贈与にも特例が設けられていて、利用する方もいます。
・教育資金の贈与の特例(2026年3月31日まで) 限度額1500万円
・結婚・子育て資金の贈与の特例(2025年3月31日まで) 限度額1000万円

子どものためになるのは何か

不意の出費の準備

幼児期から成人後まで、それぞれの時期で不意に必要になる額は異なるようです。
◆幼児期・小学生⋯⋯⋯数千円単位
◆中学生⋯⋯⋯数千円~数万円単位
◆高校生⋯⋯⋯数万円単位
◆大学生~成人⋯⋯⋯数万円~数十万円単位
 (住宅購入には数百万円単位も)
不意の出費への心づもりがあると助かるでしょう。

子どものための見極め

子どものために色々してやりたいのは親心ですが、何が子どものためになるのかを見極めることも大事です。
野村証券で50歳~79歳を対象にした「子どもにしてやりたい額」の調査結果がありました。

・子どもの結婚に⋯⋯⋯平均:127万円
・子どもの出産に⋯⋯⋯平均:35万円
・子どもの住宅購入に⋯平均:274万円
・孫の入学に⋯⋯⋯⋯⋯平均:32万円
・子どもの車購入に⋯⋯平均:72万円

全国の50歳~79歳の男女1,034名を対象に、2019年10月31日~11月1日に実施した当社インターネット調査。(調査委託先:マクロミル)
平均額は、「お金を出したいと思わない」を除く金額の回答から算出した期待値を指す。

親世代と子ども世代、どちらの生活も大事です。
子どもにお金をかけすぎ、親の資金が足りなくなって子どもに頼る、
子どもに援助をし過ぎて、子どもが収入に合わない暮らしに慣れてしまう、
どちらもいいものとはいえません。
それぞれが自立して支え合いながら暮らしていくにはどうすればいいか。
それぞれのライフプランを考えながらバランスよく暮らしていきましょう。
お金をかければいいだけの問題ではありません。

<参考>
第27回 不動産流通業に関する消費者動向調査結果 令和4年10月 一般社団法人 不動産流通経営協会
2022shouhisha_doukou.pdf (frk.or.jp)

<出典元>
ソニー損害保険株式会社
https://www.sonysonpo.co.jp/auto/


この記事の執筆者:三島 佳予子(Kayoko Mishima)

保有資格:CFP・1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 住宅ローンアドバイザー /宅地建物取引士