がん保険ってどんな保険?

毎年9月はがん征圧月間です。
厚生労働省の統計によると、がんは、1981年(昭和56年)から40年以上、ずっと日本人の死因の第1位となっています。
「がん」に備える保険、がん保険について解説していきます。

「がん」という病気
まず、「がん」という病気の特徴について解説します。


・年齢を重ねると罹患しやすくなる
男性の累積罹患リスクのグラフからもわかるように、生涯罹患率は50%程度(2人に1人)といわれますが、年齢が上がると罹患しやすくなります。

出典:「国立がん研究センターがん情報サービス」
https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html

・医療費が高額になりがち
厚生労働省の医療給付実態調査(令和3年)によると、悪性新生物(がん)の入院1日あたりの医療費は約7万円、1入院あたりの医療費は約118万円です。(ただし、高額医療費の対象などでの軽減方法あり)

・標準治療に加えて様々な治療方法・治療薬が開発されている
がんの標準治療は、手術療法、薬物療法、放射線療法の3つの柱から成り立つと言われています。
がんの治療方法の開発は日々行われています。
手術療法では、「開腹手術」内視鏡手術」「ロボットアーム手術」など。
薬物療法では、「抗がん剤」「分子標的薬」、「免疫チェックポイント阻害薬」(「オプジーボ」など高額な抗がん剤が保険診療対象になったニュースがありました)
放射線治療では、「陽子線治療」「重粒子線治療」など先進医療でまだ保険適用になっていないものもあります。

がん治療の変化
がんは、以前「不治の病」と言われていました。
今は生存率も上がり、治療方法も入院中心から通院治療へと移っています。

出典:「国立がん研究センターがん情報サービス」
https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.htm

厚生労働省の「令和2年患者調査」によると、ガン治療に要した平均入院日数は、約19.6日で、抗がん剤治療なども通院で行われることが多くなりました。

また、治療期間や経過観察期間が長期にわたるため、仕事を続けながら治療をする、ことが増えました。

求められる保障の変化
日本のがん保険は、1974年からアフラックによって販売が開始されました。当時は「入院日数無制限」など、入院保障がメインでした。
現在のがん保険は、「入院」「通院」「抗がん剤治療」「診断一時金(以前は1回のみの給付だったものが、複数回給付、上皮内がんも対象などと変化)」「保険料免除特則(がんと診断されたらそれ以降の保険料は支払わなくていい)」など、保障もバリエーション豊かです。
一時金や保険料免除などで、金銭的に生活を支えるものも増えました。

がんは年齢を重ねると罹患率が上がる病気です。
若いうちから備えたい、すでにがん保険に加入しているけれども保障内容が今求められるものとは違っている。そんな時は、今のがん治療の状況、がん保険がどんなものか、調べてみてはいかがでしょう。


この記事の執筆者:三島 佳予子(Kayoko Mishima)

保有資格:CFP・1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 住宅ローンアドバイザー /宅地建物取
引士