価値と価格 金メダルのお値段

2026年はオリンピックイヤー。冬季オリンピックでのメダルの話題に事欠きません。
メダルの価値は、それぞれのアスリートの努力の証。
変わることのない金字塔です。

それに比べ、物質としての金メダルの価格はその時々の情勢、物価によって変わってきます。
投資ブームでポイ活など価格変動のあるものが身近になり、物価上昇で日々の買い物で物の価格が変わっていくことが当たり前になった昨今、変わっていく価格について考えてみましょう。

オリンピックのメダルはオリンピック憲章によってその材質・大きさが決められています。

「金メダルは最低6gの純金めっきを施し、コアは純度92.5%以上の銀」
「メダルは、少なくとも直径60ミリ、厚さ3ミリでなければならない。」


金メダルをつくるのにかかる材料費はいくらになるのでしょう?

規定の最小メダルだと純銀製として、約100g弱。
実際には大会ごとに異なりますが、近年では500g~550gが主流です。
東京2020オリンピックの金メダルは、直径85mm・重さ556g・7.7gの金を使用しました。
548.3gの銀と、7.7gの金が主原料です。

そして金・銀の価格は変化します。最近は金属の価格が高騰しています。

世界経済のネタ帳より銀価格の推移
https://ecodb.net/commodity/silver.html#google_vignette

世界経済のネタ帳より金価格の推移
https://ecodb.net/commodity/gold.html

日本の主な貴金属価格の指標である、田中貴金属のHPよりオリンピックイヤーの金・銀の価格を抜き出してみます。

田中貴金属HPより抜粋
https://gold.tanaka.co.jp/commodity/souba/y-gold.php

東京2020オリンピックと同じ重量のメダルをこの取引価格でつくったとするとその材料費は、いくらでしょう(参考値)
東京2020オリンピック 約8.7万円
2024パリオリンピック 約17万円
2026ミラノコルティナオリンピック 約45万円
(参考 1964東京オリンピック 約5千円)
※メダルが制作される時期と金属の購入方法が異なるので実際の制作価格ではありません。参考値です。

「金最高値」などとニュースになりますが、毎日のように金の価格が変わっていくようになってから60年もたっていません。
金価格は明治以降、昭和48年(1973)4月の「金輸入自由化」まで、日本銀行が決定する「公定価格」でした。そして昭和47年(1972)2月、円対ドルのレートが変動相場制に移行しました(それまでは1$=360円の固定)。その後、日本で取引される金の価格は金そのものの価格変動と、為替による価格変動を受けるようになりました。
制度も変わっていくことを知っておきましょう。 

メダルをとった選手にとって、金メダルの価値はいつまでも変わりません。
けれど、物としての金メダルの価格は変わります。

素晴らしい選手の活躍を見ながら、自分にとって大切な変わらない価値は何か、そして周りにある物の価格は変わるのでどのように対処するか、考えていきましょう。


この記事の執筆者:三島 佳予子(Kayoko Mishima)

保有資格:CFP・1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 住宅ローンアドバイザー /宅地建物取引士